カフェ
渋谷のカフェを探す。
ここ最近、日課になっている。
この一週間だけで既に5軒ほど回ってみたものの、中々刺さる店がない。
お店を探すのは難しい。
カフェを探している内に、やたらとレビューに「接客が酷い」と書かれているお店を見つけた。
知り合いに聞いてみたところ、「うちは接客が酷いけど、それでも好きなら来な」というスタンスらしい。
強気だ。
思うに口コミか、あるいはSNSの発達によってか、長所を生かすよりも短所を隠す方向に走るお店が多いような気がする。
非常に好感が持てる。いつか行ってみたい。
ところで、アルバイトでも仕事でも、ほとんどの人が接客業の経験があると思う。
そして、自分が携わっている仕事の近くにいる人は、何となく気になるものだ。
そこで質問。
「皆さん、接客ってどこまで見ます?」
お店に行く、注文をする、料理が運ばれてくる、空になったお皿が下げられる、お会計をする。
その内、どこが一番気になるだろうか。
お店に入ったときに元気に「いらっしゃいませ」と言ってもらえるかどうか。
それとも、注文を取るときに膝をついて聞いてくれているかどうか。
運ばれた料理のお皿が、テーブルや他の食器類と当たってガチャガチャと音を立てていないかどうか。
空になったお皿を下げるタイミング、会計終わりの気の利いた一言、あげ始めるとキリがない。
ちなみに僕は、お店を見渡せる席に座って、ぼーっと店員さんを眺めるのが好きだ。
眺めていると、何となく誰がどう働いているのかとか、誰が誰と仲良しなのかとか、そういうことが見えて楽しい。
昔は事細かに目についていた。と言うか目についてしまっていた。
お会計の時に「ちょうどお預かりします。」と言われるだけでムッとしたものだ。
念のため、「ちょうどお預かりします。」は誤りである。
お預かりしても、返すものがないからだ。
昔お店でうっかりこれを口に出して、先輩に思いっ切り尻を蹴り上げられたことがある。
ムッとするのは多分、そのせいだ。誰かこいつの尻を蹴り上げろ、と思っていたのだろう。
何かしら目的があってカフェに行ったのに、ムッとして帰ってくるのは非常に勿体ないことだ。
つまり、ある程度鈍感な方が、人生実は幸せなんじゃないか、と思う。