ケール
今日はオタクの先輩(友人?)とお酒を飲みに行ってきた。
ちょうどほろ酔いのまま家に到着したところだ。
訪れたお店は、野菜を売りにしたお店だった。
なるほど、昨年まで約二年間野菜を売っていた僕は内心ワクワクしていた。
驚いた。
野菜がどれも美味しくない。
確かに見た目からしてB品以上の取り扱いだったのだろう。
ざっくり
A品…見た目が整っていてサイズも規格内。
B品…サイズに若干の誤差あり。若干の傷あり。
C品…著しくサイズ、見た目に難あり。滅多に店ではお見かけしない。
という感じだ。
正直味はどれも大差ない。
あくまで見た目の話だと思ってもらって構わない。
今日のお店では、野菜がどれもサラダバーに綺麗に並べられていたし、ブッフェも野菜を活かしたラインナップ、という感じ。
ただ、どれもなんと言うか、「野菜の味」がしなかった。
極めつけがケールだった。
遅れてきた女の子が、お皿にケールを乗せてサラダバーから帰ってきた時、思わず「ケール取ってきたの?」と聞いてしまった。
「何か時間間際で急かされている感じがあったから…。」
と彼女が言った時にそのままオチまで読めてしまった。
深緑色の葉を口に運んだ彼女はそのまま変な声をあげていた。
まあそうだよね、苦いよね。
レタス感覚で行くとしっぺ返しを食らいます。
と言うか嫌いになります、多分。
そのケールは僕が貰うことになったのだけれど、口に運んでこれまた驚いた。
苦くない。
ケール特有の渋味が、えげつない苦味が一切来ない。
いっそ爽やかだった。
こんなケール初めてだ。
パクパクとそいつを食べ終え、時間間際まで飲み、テーブルに残ったキャベツを食べ、何だか僕にとってはあまり知らない昔話をして、ほとんど店員さんに追い出される形で店を出た。
飲み会自体は楽しかった。
初めてちゃんと飲む人も、久しぶりに会う人もいたし、嬉しかった。
ただやっぱりちょっとだけ、野菜が物足りなかった。
あのケール、本当に全然苦くなかった。
その代わり、奥の方からひょっこり顔を覗かせる、特有の甘味もどこにもなかった。
ちょっとくらいクセがあっていいから、そのモノの良さを感じたいな、と思った一晩だった。