推定、泥酔

再三このブログにお酒を飲む話を書き連ねている僕ですが、見ての通りお酒を飲むのがとても好きです。

一人で飲むのも、誰かと二人でじっくり飲むのも、またあるいは大勢で和気藹々と飲む事もとても好きで、ことあるごとに誰かを誘ってみたり、飲み会を自ら開いたりなどしている気がします。

お店も、たくさん知っているとは言いませんが、色々なところに行くのが好きです。

バーでしっぽりやることもありますし、居酒屋も、お料理をメインで取り扱っているところも、どこでも飲みたくなれば飲みます。

 

失敗ももちろんたくさんしました。

つい先日も、自ら誕生日パーティを開いたくせに後半の記憶が無くなってしまいました。

思えば僕のお酒好きも、在籍していた早稲田大学という大学、あるいは組織が形作ってくれたような気がします。

学生の当時は失敗も今の比にならないほど酷く、飲むと(潰れて高田馬場の駅前に転がったり、電車を乗り過ごしたりなどを理由に)帰れないのは当たり前。

飲食店のフロアど真ん中で突然着替えを始めたり、トイレの手洗い場を詰まらせたり、客席で吐いたり、電車の乗り換え途中にホームで吐いたり、車内で吐いたり…。

泣き上戸のため、サークルの合宿では夜の飲み会の度に所構わずわんわん泣いていたような気がします。

今となっては何をしたのか、上げ始めるとキリがありませんし、また記憶もあまりありません。

 

そんな大学生活を送っていたため、いわゆる"大学生の飲み会"に一種のアレルギーのようなものを抱えているような気がします。

道ですれ違う、すました顔で歩いているサブカルっぽい彼も、何だか良く分からない髪色で白いジャージを着てテニスバッグを背負う彼も、小綺麗なワンピースを着る彼女も、サークルの飲み会になればピッチャーを両手に持つ魔人、あるいは大きな声でコールを振りながら、目の前のグラスを淡々と開けるマシーンと化すのだろうな…と思うと少し引いてしまいます。(一方で、立ち向かってくるようなら戦うぞ、という謎の感情が肝臓の奥底からチラ見するのは内緒です)

 

しかしどうやら、話を聞いてみると、意外や意外、昨今の学生達はそこまで激しく飲む事はないようです。

今まで大学生の飲み会なんてものは、翌日の予定も気にせず、身体の動く限り、ただひたすらにアルコールを接種し続け、その夜あるいは翌朝は、嘔吐物にまみれて駅のホームに転がっているものだと思っていました。

 

実際のところ、本当に世の中の大学生全員がそんな状態になっているのであれば、都内の駅のホームは死体と吐瀉物にまみれているでしょう。

しかしそうではないということは、きっと、皆そんなにお酒をたくさん飲んでいないのでしょう。

 

本当に?

 

僕は大学生時代、お酒を飲むほかにもう一つ、学んでいた事がありました。

それは、数学です。

もう式だの何だのはあらかた忘れてしまっていますが、ひとつ、面白いものを思い出しました。

フェルミ推定」です。

 

フェルミ推定とは、「ざっくりこれってこんくらいあるよね」という仮説をもとに、「てことはこれはざっくりこんくらいだよね」というものを予想するものです。

言うよりやるが易し、取りあえずやってみましょう。

 

case「一日に、東京都内の各駅で倒れている大学生は総勢何人?」

 

前提として、大学生は全員お酒が大好きなものとします。

以下を仮定します。

 

◯大学生の人数

早稲田大学は確か総生徒数が日本で二番目に多く、その数は大体5万人くらいだったような気がします。

東京に大学がいくつあるか、ここでは仮に100校としましょう。

日本で二番目に多くて5万人、一番は日大でしょうから、少なく見積もっても10万人はいます。

100校のうち2校で10万人、これを単純に50倍なはずはありませんから、5倍くらいにしておきましょう。

50万人。

都内の大学生の数は大体50万人とします。

 

◯泥酔して潰れている大学生の数

学年ごとに、50万人をそれぞれ12.5万人ずつ分けてみます。

一年生は飲み慣れておらず失敗することも多そうです。

二年生は中堅、飲み会の主役と言っても良いでしょう。失敗が板につく頃かな。

三年生になると少しずつ数が減って行くような気がします。

四年生は就活もありますし、サークルを引退する人も出て来るので、もっと少ない。

と言う訳で、自身の経験も踏まえて一度の飲み会につき潰れる人数は

一年生:3割

二年生:4割

三年生:2割

四年生:1割

くらいで考えてみましょう。

 

今回は「大学生は全員お酒が大好き」という前提条件があるため、参加率100%、飲み会は週三回発生する物と考えます。

 

学年別の割合と、週三回の飲み会という仮定より

12.5万人*(3+4+2+1)/10*3/7=5万人

 

一日に約5万人の大学生が、東京都内のどこかの駅で潰れています。

 

◯東京都にある駅の総数

東京に走る路線はいくつあるんでしょう。

西武は新宿線池袋線多摩湖線

JRは山手線、中央線、総武線埼京線湘南新宿ライン横浜線南武線青梅線

他の私鉄は小田急線、京王線東武線、京急

東京メトロは丸の内線、東西線南北線副都心線半蔵門線、千代田線、有楽町線、銀座線、日比谷線くらいですか。

都営地下鉄新宿線浅草線三田線大江戸線

モノレールも多摩都市モノレール東京モノレールがあって、これは中々数が多そうです。

挙げてみただけでも全部で30路線。

しかし多摩湖線のように7駅しかない路線もあったり、停車駅が被っている路線もありますから、平均して各20駅ずつくらいにしておきましょう。

と言う訳で、

30*20=600駅

都内には600個くらい、駅がありそうです。

 

◯結果

都内のどこかの駅で、毎日総勢5万人の大学生が潰れています。

都内に駅は600駅。

50000人/600駅=約83人

 

毎日、各駅約80人の大学生が潰れている計算となりました。

 

そんなわけ、あるか!!

ご清読ありがとうございました。